経理の仕事について。その② 数字と守秘義務

-その①より続き-


守秘義務とは、職務上知り得た秘密を漏らさない事を守る義務です。


公務員や弁護士等、特定の職務については、その性質上、他人のプライバシーや公益と深く関わる事が多いため、法令で守秘を義務付け、違反に対して罰則が定められています。


会社員については、法令に直接的な明記はありませんが、大抵の場合は、会社との労働契約で守秘義務が課せられているため、契約に違反した場合、労働契約法第三条4項、「労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない。」との法令に、反する事になります。よって、会社(使用者)に対し、労働契約に違反した事による民法上の債務不履行責任、及び不法行為責任はあると考えられます。つまり、会社に損害が発生した場合には、賠償しなければならない義務が生じる可能性があります。


では、秘密とはどのような事実の範囲が該当するのか?


私は、経理の職務においては、IR情報で開示していないものは全て、守秘義務があると思っています。


実際のところは、当該範囲は明文化できない(グレーゾーン)ものであり、指定秘では足りず、実質的に秘密保護に値するものを定義する実質秘でなければならないと解しています。


ちなみに、刑法他、法律に、別段の定めがある場合は、この限りではありません。

 

 

-次の記事 その③へ続く-